第2.5章:アメリカ留学の罠|入るのは簡単、でも卒業は地獄

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日本では「大学受験」が人生のゴールになりがちだ。しかしアメリカは真逆だ。入学よりも卒業の方がはるかに難しい。


入学は「簡単」だった

アメリカ人学生の場合、ペーパーテストの一発勝負ではなく、書類選考やエッセイ、過去の成績や課外活動が重視される。そのため日本の難関大受験のような「狭き門」とは性質が違う。実際に数学の点数が良くなくても入学できる。ただしその場合は、予備クラスを受講しなければならない。

留学生も同様だ。英語力さえ基準(TOEFLなど)を満たせば、門戸は広く開かれている。

TOEFLのおすすめ問題集はTOEFL iBT公式総合対策である。

ちなみに日本は今、少子化のため大学経営が困難になり、AOや推薦入試など、私たちの時代の受験地獄はなくなりつつあるようだ。簡単に入って簡単に卒業できるなら日本の大学の方が楽かもしれないが、日本の大学に行っていない私にはわからない。


アメリカ大学のクラスの仕組み

新入生が受講するクラスは100番台だ。Mathematics 101、English 101といった具合で、2年生になると200番台のクラスを受講する。もちろん、必ずしもその順番通りでなければならないわけではない。

たとえば私は、Communication 101(スピーチのクラス)を卒業最後の学期で受講した。人前でのスピーチに自信がなかったからだ。

また予備クラスというのはMathematics 50などのクラスで、単位にはならないが、101の単位を取得できるよう、基礎から教えてくれる救済措置だ。


「卒業が難しい」本当の理由

① 圧倒的な読書量と課題

毎日、教科書を何十ページも読まされる。レポートの量も多い。さらに毎回「クイズ」と呼ばれる小テストがあるクラスも多い。

そのためスキマ時間や移動時間にもメモを持ち歩き、単語を暗記した。図書館が閉まるまで居残るのも日常だった。ちなみに金曜日の夜に図書館にいるのは留学生くらいだと言われていた。

どの国の留学生も、英語が母国語でない限り同じ苦労をしている。そのことに気づいた時、不思議な仲間意識を感じてほっとしたこともある。

② GPAという脱落の仕組み

成績(GPA)が一定以下になると、1学期間通学できなくなる。その後戻ってこれるが、同じことを繰り返すと二度と戻れなくなる。

救済策はある。レベルを下げた大学へ入学または転入することだ。

実際に数学のクラスでは、最初は一番大きな教室を使っていた。しかし履修を取り消す学生が続出し、どんどん小さな教室に変わっていった。最終的には20数名になっていたこともあった。

ちなみに、アメリカの大学には次の制度がある。

1. Drop(履修登録期間内の取り消し)
学期の最初(最初の1〜2週間程度)の「Add/Drop Period(履修登録・変更期間)」内に履修を取り消せる。そうすれば、成績証明書に履歴が一切残らず、最初からそのクラスを取っていなかったことになる。受講し始めたら難しかった、とか、他のクラスとの兼ね合いで勉強時間が確保できない時などにこの制度が利用される。

2. Withdraw(履修撤回)
上記の変更期間を過ぎた後に、クラスの履修を取り消すことで成績証明書には「W」という記号が記録される(GPA=評定平均には影響しない)。

3. Audit(聴講)制度
試験を受けたり宿題を提出したりする必要がない(または免除される)ことが多く、最終的な成績(A〜Fなど)や卒業に必要な単位は付与されない。成績証明書には、単位の代わりに「AU(Audit)」とだけ記載される。通常の1単位あたりの授業料と同額、あるいは少し割引された「Audit Fee(聴講料)」を大学に支払う必要がある。

実は私はこの聴講制度を利用して、難しいクラスは良い成績を取るために2度受講したことがある。


それでも、あの「地獄」を生き抜いたからこそ

30年以上、主に金融業界で通翻訳者として働いてこられたのは、あの「何が何でも生き残る」サバイバル環境で培われたベースがあったからだと思っている。


まとめ

留学は努力の連続だ。だからこそ、渡米前の「事前の英語力」——特に自分の意見を瞬時にアウトプットする会話力——の準備が、現地で生き残るための命綱になる。

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