第42章:TOEIC満点でも「年齢」で切り捨てられた——ハローワークで感じた学び直しの壁

(前回の記事はこちら)第41章:社会復帰前の3者面談で言われたこと—患者専門相談員が教えてくれたこと

病院の相談センターのアドバイザーと、ハローワークから来てくれる「病気から復帰した患者専門」の担当者と私との3者面談では、「興味があるなら挑戦していい」と背中を押してもらい、AIの基礎クラスを受講してみようという気持ちになっていた。ところが、実際に近隣のハローワークへ申込書をもらいに行った時の対応は、それとはまったく違うものだった。

申込書をもらいに行っただけで、立て続けに否定された

近隣のハローワークにAIの一番基礎のクラスを受講する申込書をもらいに行くと、窓口の方からまずこう言われた。

「私の年齢では試験で落とされる」 「1ヶ月に1つのクラスにしか申し込めないので勿体ない」

続けて、「仮に合格しても、授業の途中でついていけなくなる中高年が多い」とも言われた。そして追い討ちをかけるように、

「卒業しても会社は若い人しか雇いませんよ」

とまで言われ、泣く泣く受講を諦めることになった。

まだ何かに挑戦すると決めて申込書をもらいに行っただけなのに、試験を受ける前から、授業についていく前から、そして就職活動を始める前から、すべての可能性を先回りして否定されたような気持ちになった。

代わりに勧められたクラスも、結局は「我慢してください」

代わりに勧められたのが、来月開校される国際ビジネスのクラスだった。ただし、このクラスは英語の授業の割合も多く、必要レベルとしてTOEICの点数が400〜500と記載があった。

私には在米経験が10年以上あり、米国の大学も卒業しており、NYの金融機関でも勤務経験がある。TOEICも満点である。その旨を説明しても、返ってきたのはこんな言葉だった。

「このクラスなら通関士の資格が取れるので、その仕事なら年齢にこだわらない企業が多いです。英語のクラスは退屈でしょうけど我慢してください」

自分のこれまでの経験や英語力は、まったく考慮されなかった。「年齢にこだわらない仕事に就くために、退屈でも我慢する」というのが提示された唯一の道だった。結局、何も受講の申し込みはしなかった。

同じ制度の中に、こんなにも違う対応がある

不思議だったのは、少し前に受けた3者面談では「病気の経験があっても、興味があるなら挑戦していい」と前向きに背中を押してもらえたのに、通常の窓口では「年齢」を理由に、挑戦する前から可能性を閉ざされてしまったことだ。

同じハローワークという組織の中でも、専門知識を持ったアドバイザーがいるかどうかで、これほど対応が変わるものなのかと痛感した。そして同時に、中高年の学び直しやキャリアチェンジに対して、社会がまだどれだけ「年齢」というフィルターで人を判断しているかを、身をもって知ることになった。

学び直したいと思っている人へ

これから何かを学び直したい、新しいことに挑戦したいと思っている中高年の方は、私と同じような壁にぶつかることがあるかもしれない。

一つだけ伝えたいのは、窓口の対応がすべてではない、ということだ。同じハローワークでも、担当者によって驚くほど違う言葉が返ってくる。もし否定的な対応をされて心が折れそうになったら、別の窓口や、病気・年齢などの事情を理解してくれる専門の担当者に、改めて相談してみる価値はあると思う。

私自身、まだ結論は出ていない。それでも、この経験を書き残しておくことで、同じような場面に立たされた誰かの背中を、少しでも押せたらと思っている。

窓口の対応一つで気持ちが折れそうになることもある。ハローワークの職業訓練校だけが学び直しの道ではない、ということも、今なら伝えられる。年齢や体調を理由に足踏みさせられるくらいなら、自分のペースで学べる場所を探すという手もある。例えば「デイトラ」のようなオンラインスクールなら、窓口の対応に一喜一憂することなく、自分の意志だけで学び始められる。

コメント