第34章:AI時代を生きる翻訳者|5つのAIを使い分けて気づいたこと


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AIの登場が変えた翻訳の世界

実は20年ほど前から、翻訳者の仕事はいずれAIに代替されると噂されていた。

その頃から覚悟はしていた。しかし自分の年齢を考えると、AIに追いつかれることなく退職まで逃げ切れると思っていた。それが大きな間違いだった。逃げ遅れてしまった。

AIの登場により、翻訳の仕事が減り始めた。DeepLやChatGPTの精度は年々上がり、かつて翻訳者が担っていた仕事の一部はAIに置き換わりつつある。

脅威と感じる翻訳者も多いだろう。しかし私はこう思っている。AIとは共存していくべきだ。AIのいいとこどりをして効率的に作業をこなし、QOLを上げる。それが賢い使い方だと考えている。


5つのAIを目的別に使い分ける

現在複数のAIを目的別に使い分けるようになって気づいたのは、AIは道具に過ぎないということ。使いこなすための考え方を学んだ時に役に立った書籍を紹介する。
仕事が10倍ラクになるずるいAI活用術
AIのド素人ですが、10年後も仕事とお金に困らない方法を教えて下さい! 最悪の未来でも自分だけが助かる本

Perplexityはリサーチに使う。最新情報を素早く調べるのに優れている。

GeminiはGoogle検索と統合され最新情報に強く、数学・財務分析などの推論も強い

CopilotはWord / Excel / PowerPoint との連携が強力。

ChatGPTは記述、プログラミング、ブレストなど何でも高水準。また、音声対話・画像生成が優秀。

Claudeは長文処理能力が最強(論文・契約書・PDF)で、正確性が高く、誤情報が少ない。そして、日本語文章が自然で読みやすい

それぞれのAIに得意不得意がある。1つのAIに頼るのではなく、目的に応じて使い分けることが大切だ。


AIは時々おせっかい

便利な反面、AIは時々おせっかいだと感じることもある。

こちらが求めていないのに「大丈夫ですか?」などと余計な一言を添えてくることがある。私のことではない話題なのに、勝手に私の話だと解釈して心配してくる。ありがた迷惑とはこのことだ。


脳が腐る前に身体が腐る

AIを使いすぎて、自分の脳が腐っていくのではないかと心配した時期もある。調べる前にAIに聞く。書く前にAIに相談する。考える前にAIに投げる——そんな癖がついてきた。

ただその分、読書の時間が増えた。AIに任せた時間を本を読むことに使っている。

脳が腐るより、身体が腐る方が早い。そう楽観的に考えることにした。


AIと翻訳者の未来

AIは翻訳者の仕事を奪うのではなく、翻訳者の仕事を変えていくのだと思っている。

単純な翻訳作業はAIに任せ、人間にしかできない専門的な判断・文脈の理解・ニュアンスの調整に集中する。翻訳アノテーションという新しい仕事が生まれたのも、AIと人間が共存していく時代の産物だ。

NYの銀行員から始まり、お見合い54人、専業主婦、通翻訳者、東京大学大学院、ビッグ4の監査法人、字幕翻訳、そしてAI時代へ。

一生勉強は続く。それだけは、AIにも変えられない。

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