第8.3章:ウィスコンシンからニューヨークへ|女2人・1か月のキャンプ旅行とアメリカ人家族の温かさ

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カナダの国境で思わぬ歓迎を受けた

夏休みを利用して、友人と二人でキャンプ旅行に出た。テントや道具一式を車に積み込み、ウィスコンシンを出発。カナダ経由でニューヨークを目指すルートだった。

カナダとの国境に差し掛かると、移民局の若い男性担当官が2人やってきた。

「なぜウィスコンシンに留学したのですか?」「なぜカナダを選ばなかったのですか?」

質問はなかなか終わらなかった。そのうち今夜はホテルに泊まると知ると、「どこのホテルですか?」「夕食を一緒にどうですか?」

要するにナンパだった。

今では懐かしい思い出だが、アメリカにいる間はやたらとモテた。若いとは怖いもので、自分の魅力だと思い込んでいた。単に珍しい東洋人女性だったという理由に気が付くのは、数年経って大人になってからだ。

インディアナの嵐の夜

ニューヨークからウィスコンシンへの帰り道、インディアナ州のキャンプ場にテントを張っていると、中年の男性が近づいてきた。

「今夜は雨が降るかもしれないけれど、準備はできていますか?」

大丈夫です、と答えた。

その夜、雨どころか嵐になった。強風が吹き荒れ、テントはたちまち浸水した。車の中で夜を明かそうと移動していると、昼間の男性が現れた。今度は小学校の高学年くらいの女の子を連れていた。

「妻が暖かいものを用意しています。今夜は家に泊まっていきなさい。」

女の子を連れてきたのは、見知らぬ男性への警戒心をほぐすためだとすぐにわかった。その心遣いに感謝しながら、ありがたくお世話になることにした。

SONYの国から来た人たち

家には小学校の低学年の女の子もいた。家族が囲む温かい食卓で夕食をご馳走になり、結局2泊させてもらった。

翌日、女の子たちの同級生が10人近く集まり、日本の話をした。広大な庭では、父親が大きな乗用芝刈り機で芝を刈っていた。感心していると聞かれた。

「日本には芝刈り機はないの?」

猫の額ほどの庭に手押し式の小さな芝刈り機を使っていると話すと、みんな驚いていた。当時のアメリカでは、日本といえば「SONYの国」という認識だった。

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