第24章:54人お見合い奮闘記【中編】〜かつら2種類・豪邸・週3人ペースでお見合い相手が全員同じに見えてきた〜


お見合いの舞台はホテルのラウンジ

当時のお見合いは、ホテルのラウンジや個室で行われることがほとんどであった。そしてそこには、母や親戚よりも「双方を紹介してくださるお見合いのおばさま方」が同席するのが常であった。

ある時のこと。私と相手の男性、そして縁談を取り持ってくださったおばさま方が数珠つなぎに加わり、なんと総勢5人ものおばさまに囲まれるという、驚くような大所帯のお見合いがあった。間に人が入り過ぎて、もはや何の話題で盛り上がっているのかすら分からない状態であったが、こちらはただニコニコと笑っているだけでどうにかなった。

いずれにしろ、ひとしきり盛り上がった後に「それでは、後はお若いお二人だけで……」という“呪文”が唱えられ、ようやく私たちは解放されるのがいつもの慣わしであった。


お見合いおばさま軍団イチオシの男性

お見合いおばさま軍団が強力にプッシュする男性がいた。なぜイチオシかというと、両親がすでに他界されているからだという。お姑さんの苦労も小姑の苦労もない。背は高く、学歴も職歴も申し分なく、鎌倉の豪邸にお手伝いさんと暮らしていた。マンションも数棟保有しているという。性格も穏やかで優しい人だった。

実際に豪邸にもおじゃました。確かにかなりの豪邸だった。しかし私には刺さらなかった。

何度断っても軍団の壁は厚かった。最後の最後に母に言った。「顔が好きじゃない」。事実ではなかったが、他にもう思いつく断りの言葉がなかった。母は言い放った。

「顔なんてついているだけでありがたいと思いなさい。」


かつら2種類の写真

お坊さんのお見合い写真には、かつらなしとかつら着用の2種類が同封されていた。また、会う前に「かつらをかぶっていることをあらかじめお伝えします」と正直に告げてくれる方もいた。誠実さは伝わったが、なかなかに想定外の展開だった。


ハンドバッグや洋服を買ってあげると言う人

私が持っているハンドバッグが有名ブランドのものではなかったからか、「買ってあげる」としつこく言う男性もいた。さらに、和風美人が好みだそうで、洋服も全部買ってあげるので着替えてほしいとも言われた。お見合いの場でハンドバッグや洋服の話が出るとは思ってもいなかった。

お見合いは1度で断るのはマナー違反とされていたため、その方とは2度お会いしてからお断りした。


いい大人なのに母親同伴

いい大人なのに、お見合いに母親がついてくる男性もいた。お見合いおばさま軍団だけでなく、相手側にも強力な助っ人がいたようだ。


週3人、同じ話を繰り返す日々

お見合いは週に3人のペースで続いた。二股・三股はお見合いでは当たり前のことだった。同じ話を繰り返さないよう、どの人とも同じ話をした。食事や映画、遊園地に誘われても、その人と一緒でなくても楽しいだろうと思っていた。

自分の電話番号は渡さず、相手は実家の番号しか知らない。電話がかかってくると母が出て相手を確認し、お見合い相手のファイルを開いて「この人からよ」と教えてくれる。その写真とデータを見ながら世間話をする。つまらなかった。最初に会った人と今日会っている人とはどこが違うのだろう、と思い始めていた。


世田谷の親戚に囲まれた生活

大阪の実家から東京を往復することに疲れ、世田谷区の伯父伯母の家に住み込むことにした。隣には従姉妹夫婦もいる。車で10分以内のところに8組の親戚がいて、それぞれがアドバイスをくれた。全員がお見合い結婚の経験者だったので、貴重なアドバイスも多かった。


35人目から全員同じに見えてきた

35人目の相手に会った頃から、どの人も同じに見えてきた。もう一生結婚できない気がしてきた。いや、もう結婚しなくてもいいとも思えてきた。

次に会った人に決めようと、会った瞬間から「私はこの人を好きになる、好きになる」と暗示をかけ続けたこともあった。しかし無駄だった。


次回予告

54人のお見合いを経て、53人目でついに運命の人と出会うことになる。次回はその出会いと結婚までの話をお伝えします。

コメント