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アメリカでの生活にも慣れてきた頃、私は人生で一番と言っていいほどの恐怖を経験した。
前触れもなく襲ってきた突然の病気。日本とは勝手が違いすぎるアメリカの医療システムと、言葉の壁。
「一人暮らしの部屋で、このまま死んでしまうかもしれない」
そんな極限状態から、友人の助けと、事前に準備していた「あること」に救われるまでの、私のリアルな海外闘病記をここに書き残しておきたい。
何の兆候もなく突然の病気。ベッドから起き上がれない
緊迫の病院。唯一、何度も練習していた「あのフレーズ」
病院の入り口に到着すると、連絡を受けていた看護師たちが待ち構えており、私はすぐに車椅子に乗せられて診察室へと連れて行かれた。
このとき、友人だけが付き添ってくれていたのだが、私の姿を見た看護師から「お母さんは後から来るの?」と真顔で聞かれた。どうやら、あまりの小柄さに子供だと思われてしまったらしい。そんな緊迫した状況のなかで、少しだけ力が抜けるような出来事だった。
診察室に入ると、極限状態のなか、医師や看護師に聞かれた質問がほとんど理解できない。しかし彼らは、私が英語が苦手だと気づくと、身振り手振りで一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしてくれた。
そんなパニック状態のなかで、私が必死に伝えた言葉があった。それは、「熱があること」、そして既往歴として「過去に盲腸の手術をしたこと」だ。
実は、万が一のときのために「盲腸の手術をしました」という英語のフレーズだけは、何度も練習して頭に叩き込んであった。まさか、こんな極限状態でその練習が役に立つとは思わなかった。海外で暮らす上で、自分の既往歴を英語で言えるようにしておく備えの大切さを、身を以て知った瞬間である。
その後、点滴を打たれ、さまざまな医療機器で検査をされたことまでは覚えているが、安心したのか、私は途中で眠り込んでしまった。
目覚めたときの安心感と、アメリカならではの「ステーキの食事」
気がつくと、私は静かな病室のベッドの上にいた。枕元にいた看護師が、優しく笑顔で「もう大丈夫よ」と言ってくれたとき、張り詰めていた緊張が一気に解け、ホッとしてまた深い眠りについた。
幸いにも回復が早く、なんと翌日には退院できることになった。
しかしその前に、「栄養をつけないと」と運ばれてきた食事を見て目を疑った。おかゆにお味噌汁、ヨーグルトといった消化の良い食事が出てくる日本の病院とは違い、そこで出てきたのはまさかの「コース料理」。しかも、メインはステーキだったのだ。
「無理!そんな食欲ない……」と思いながら、スープや付け合わせの野菜、デザートのゼリーだけをどうにか無理して口にした。そんな私を見て、看護師は自分のお腹に手を当ててしかめ面をしてみせた。「お腹が痛いの?」という質問だと思い、私は思い切り首を横に振った。
退院時に医師から薬を処方されたのだが、そこでもアメリカらしい、ちょっとしたカルチャーショックを受ける。先生は私の体格を見て、こう言ったのだ。
「あなたは体が小さいから(152センチ)、お薬は子供用の量にしておいたよ!」
確かに、普段からGAP Kidsで洋服を買っていたくらいだ。アメリカの薬は日本人にとって強すぎることが多いと聞いていたが、体格を見て臨機応変に判断してくれた先生の優しさに、思わず笑みがこぼれた。
高額だと思っていた医療費は「無料」だった
退院の手続きの際、日本を発つ前に加入していた「海外旅行保険」の保険証を提示した。すると、窓口での支払いは一切不要とのことだった。
当時は年間約7万円もする高額な保険に入っていたが、アメリカの恐ろしい医療費の現実を考えれば、この保険に入っていたおかげで本当に命とお金を救われた。海外へ行く際は、絶対に妥協してはいけないポイントだと痛感している。
退院後も、心配した友人が数日間わが家に泊まり込んでくれ、食事の用意などの身の回りの世話をすべて焼いてくれた。その温かい看病のおかげで、びっくりするほどすぐに体調は回復へと向かった。
まとめ:異国の地で病気になって学んだこと
今回の突然の闘病で、私は大切なことを学んだ。
- 自分の既往歴(病歴)の英語は、絶対に暗記しておくこと
- 海外旅行保険はケチらず、手厚いものに入っておくこと
- いざというときに助け合える友人の存在は、何にも代えがたい財産であること
病気のあと、学校の授業を休んでしまったことがとても気になっていた。しかし、気の利く友人が私の代わりに病院の証明書を各教授のオフィスに提出してくれていたため、出席の面では大きな問題にならなかった。
(とはいえ、休んだ期間の遅れを取り戻すための、その後の授業の勉強は本当に大変だったのだが……!)
アメリカでの突然の病気は本当に恐ろしい経験だったが、人の温かさと事前の備えの大切さを知る、一生忘れない経験となった。これから海外へ行く人には、万が一の備えだけは、どうか万全にしていってほしいと思う。
アメリカへ行く前に絶対に準備しておくべき「医療費対策」
ここまで私のリアルな病院での体験をお話ししたが、アメリカの医療費は本当に高額で、日本の常識がまったく通用しない。万が一の備え(海外旅行保険)は絶対に必須です。
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