第35章:60代からでも留学できる?実際に留学した私が答えます

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「60代で留学なんて、さすがに遅すぎる」—そう思っていないだろうか。

私は高校卒業後にアメリカへ渡り、ウィスコンシン州の大学で学び、その後ニューヨークで銀行員として働いた。そして歳を重ねた今も、あの留学が人生の土台になっていると感じている。

その経験をもとに、正直に答えたいと思う。


結論:60代でも留学できる。むしろ今だからこそ得られるものがある

若い頃の留学と、60代の留学は、目的も得るものもまったく違う。

20代の留学は「将来のため」だった。言葉も文化もわからない中で、毎日が必死だった。失敗しながら、傷つきながら、それでも前に進むしかなかった。

でも60代の留学は違う。人生の経験を持った大人として、世界を見ることができる。

仕事のプレッシャーもない。子育ての責任もない。時間とお金を、自分のためだけに使える。これは人生の中で、実はとても贅沢な時間だ。


私が高校卒業後にアメリカへ渡った話

私がアメリカに留学したのは、高校を卒業してすぐのことだった。

行き先はウィスコンシン州。ニューヨークの華やかなイメージとは程遠い、雪深い中西部の州だ。言葉もろくにわからないまま飛び込んだアメリカ生活は、想像をはるかに超えた壁の連続だった。

それでも、ウィスコンシンでの大学生活が私の英語力の土台を作った。そしてその後のニューヨークでの銀行員生活、帰国後の翻訳者としてのキャリアへとつながっていった。

あの一歩がなければ、今の自分はなかった。


大学時代に出会ったシニアの学生たち

ウィスコンシンの大学で学んでいた頃、クラスに何人かシニアの学生がいた。

最初は正直、不思議だった。なぜこの年齢で大学に?と思っていた。でもいざ一緒に授業を受けてみると、彼らの発言や視点に何度も驚かされた。長い人生経験に裏付けされた知識と洞察は、20代の私にはとても及ばないものだった。

その時、私は心に決めた。

「60歳になったら、また大学か大学院に戻ろう。今度はキャリアのことを考えず、純粋に自分が学びたいことを学ぼう」

それが私の夢になった。


人生は、計画通りにはいかない

しかし、人生は計画通りには進まなかった。

まず新型コロナウイルスの世界的な流行で、世界が停止した。続いて戦争、国際間の不和、インフレ、アメリカの大学の授業料の高騰。一つひとつは乗り越えられても、重なると重い。

そして何より大きな障害となったのは、私自身が病気になったことだった。

60歳だった定年は65歳に引き上げられた。しかし、その年を待つことなく、私は退職を余儀なくされた。

夢に描いていた「60歳からの大学院生活」は、こうして形を変えることになった。

でも、諦めてはいない。

現在はリハビリをしながら、少しずつ体力をつけ始めている。実際にアメリカへ渡って学ぶことは難しいかもしれない。でも、インターネットを使えば、世界中の大学の講義や学びにアクセスできる時代だ。オンラインで学ぶという形で、あの夢をつないでいこうと思っている。

留学の夢は、まだ諦めていない。

だから60代で留学を考えているあなたに、心から伝えたい。行けると思ったその時に、踏み出してほしい。 人生には、想定外のことが必ず起きる。「いつか」は来ないかもしれない。でも「今日」は確かにある。


60代留学、よくある不安に答えます

「英語が話せないのに大丈夫?」

大丈夫。むしろ英語が話せないことを恥ずかしがらないのが、60代の強みだと思う。

20代の頃は、間違えることが恥ずかしかった。でも人生経験を積んだ今なら、「わからないので教えてください」と素直に言える。その姿勢が、現地の人との距離を縮める。

まずは簡単な英会話から始めれば十分だ。留学先には同じように英語を学ぶ世界中の人がいる。完璧な英語など、誰も求めていない。

体力的に心配

これは正直、答えようがない。私自身、健康には気を遣ってきた方だ。それでも病気にはなる。こればかりはどうしようもない。

ただ、最近は50代や60代向けの語学留学プログラムができて、無理のないスケジュールで組まれていることが多い。午前中に授業、午後は自由時間、というスタイルが一般的だ。観光も兼ねながら、自分のペースで学べる。

私がウィスコンシンにいた頃、年配の留学生はいなかった。でも今は違う。シニア向けの留学プログラムも充実してきている。

お金がかかりすぎる

語学留学なら、2〜4週間の短期プログラムから選べる。費用は行き先や期間によって異なるが、旅行感覚で参加できるプログラムも増えている。

長期でなくていい。まず2週間、試してみるという発想でいい。

今さら何のために?

これが一番大切な問いだと思う。そしてその回答は、今こそ、したいことをする時期だ。

60代の留学に「就職のため」は必要ない。英語が仕事で必要というわけでもないかもしれない。

でも、世界が広がる感覚は、何歳になっても変わらない。

見知らぬ土地で、見知らぬ人と話す。自分が「外国人」になる体験をする。日本の外から日本を見る。それだけで、残りの人生の景色がガラッと変わる。

私はそれを、高校卒業直後に体験した。あの体験が、その後の私の人生を作った。

60代でその体験をしても、決して遅くない。むしろ、人生の豊かさをもっとも深く味わえる年齢かもしれない。


60代留学におすすめの行き先

アメリカ(カリフォルニア・ニューヨーク) 日本人留学生が多く、サポート体制が整っている。私が暮らしたニューヨークは、多様な人々が集まる街で、英語が少々たどたどしくても温かく受け入れてくれる文化がある。

カナダ(バンクーバー・トロント) 治安が良く、シニア層に人気。アメリカより物価が低めで、のんびりとした雰囲気が過ごしやすい。

マルタ・アイルランド ヨーロッパで英語を学びたい方に。比較的費用が抑えられ、観光も楽しめる。


まとめ:留学に「遅すぎる」はない

高校卒業後に飛び込んだアメリカ留学は、私の人生を変えた。

でも今振り返ると、あの経験は「若かったから」できたわけではない。踏み出す勇気があったからできた。

60代にはその勇気を後押しする、十分な経験と自信がある。

「いつか留学してみたい」と思っているなら、そのいつかは今かもしれない。


このブログでは、私のアメリカ留学・ニューヨーク生活・帰国後の体験を綴っています。他の記事もぜひご覧ください。

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