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当時、私がインターンを経験した日系旅行会社はミッドタウンにあった。そして、その後に入行した日系銀行はダウンタウンにあった。
家族のいる駐在員たちは、ニューヨーク郊外の広い庭付き一軒家に住むのが主流だった。**いわゆる、**通称「日本人村」である。
一言で広い庭と言っても、それは日本の比ではない。実際、旅行会社の支店長のお宅に従業員全員が招かれたことがある。
その時は、50人以上の人がパーティーで食事をできる大きさの家にも驚いた。しかし、その庭もさらに圧巻だった。なんと、食事後にその庭で野球をしたのだ。つまり、野球ができる広さの庭なのである。
その日本人村には、日本人の保母さんがいる幼稚園がある。さらに、土日のみ開校する日本人学校もある。それだけでなく、日本人が経営するパン屋からスーパー、本屋、美容院まで何でも揃う。
一見すると羨ましい環境だが、そこには厳しい現実もあった。具体的には、それが「庭の手入れ」と「自宅前の雪かき」である。そこには、常に管理の手を抜けない過酷なルールがあった。
アメリカ流「外観重視」の文化と厳しいペナルティ
アメリカは外観を重視する文化である。なぜなら、「家の外観はその家の価値、そして住民の品格を表す」という考え方が強いからだ。
そのため、以下のような状態は「だらしない家」とみなされる。その結果、近所から苦情の対象となってしまう。
- 芝が伸び放題
- 雑草だらけ
- 枯れ葉が積もっている
- ゴミが散乱している
アメリカの多くの住宅地には「住宅協会(HOA)」があり、庭の管理ルールが細かく決められている。例えば、芝生は適切な長さに保つこと、雑草を放置しないこと、枯れた木や植栽を管理すること、などだ。さらには、外壁の色も勝手に変えられない。
もしこれらに違反すれば、まずは警告レターから始まる。その後、$50〜$500の罰金が科される。最悪の場合は、強制的に業者が入り、その費用を全額請求される。
たとえ住宅協会がない地域であっても、市の条例で厳しいルールが普通にある。一例を挙げると、「芝が20cm以上で$100の罰金」などだ。これは、日本の「ゴミ屋敷」が放置されっぱなしになっている現状とは大違いである。
なぜなら、庭が荒れていることは、単に見栄えが悪いだけではないからだ。具体的には、「害虫や動物が住みつく」「空き家と間違われて犯罪のターゲットになる」といった治安・衛生上の重大なリスクと見なされるのである。
恐怖の訴訟リスク。アメリカで雪かきをしないとどうなる?
庭の手入れ以上に恐ろしいのが、冬の「雪かき」である。
ニューヨーク州、マサチューセッツ州、イリノイ州、そして私がいたウィスコンシン州などの雪国では、厳しい法律がある。それは、「市の条例で、自宅前の歩道は住民が除雪する義務」というものだ。
例えば、「24時間以内に雪を除去しなければ$50〜$150の罰金」は当たり前だ。**さらに、**放置が続けば市が手配した業者代として$200〜$500を請求される。
それだけでなく、雪かきを怠った家にはUSPS(郵便局)からもペナルティがある。なんと、「安全に配達できない」と判断され、郵便や宅配の配達を停止することさえあるのだ。
知っておくべきアメリカの「訴訟社会」の現実
何より恐ろしいのは、アメリカが訴訟社会である点だ。
もし自宅前の歩道で、誰かが滑って転倒し、怪我を負ったとする。その対象は、郵便配達員や隣人、あるいは通行人の子供などだ。その場合、家主が医療費や損害賠償、弁護士費用を全面的に負担しなければならないケースが多々ある。
しかも、こうした裁判では家主側が負けてしまう。その結果、とんでもない額の賠償金を支払うことになるのが現実だった。つまり、アメリカにおける雪かきは「自分のため」ではない。あくまで、「他人の安全のため」の義務なのだ。
「自分の場所は自分で守る」からこそ、私が選んだ選択
留学したての頃、雪が降った翌朝の光景に驚いたのを覚えている。まだ外が暗いうちから、近所の住民たちが一斉に自宅前に出ていた。そして、シャベルや除雪機を手に黙々と雪をどかしていた。
日本では「雪かきは行政がやるもの」という感覚もある。しかし、アメリカでは「自分の家の前は自分で守る」という自己責任の考え方が根底にある。
私はこの厳しい現実を知った。それ以来、私がアパートを借りる時は「2階以上の部屋」を選ぶようになった。なぜなら、2階以上であれば、雪かきや庭の手入れの義務から完全に解放されるからである。
つまり、家賃は高くとも、確実な安全を買ったのだ。同時に、「雪かき義務のない自由」を買い、私はマンハッタンでの快適な暮らしに満足するのだった。
幸いにも、近くにはカーネギーホールがあった。さらに、少し歩けばセントラルパークが広がっている。夜のセントラルパークは危険だが、昼間は最高のオアシスだ。そこでは、散歩をしたり、ベンチで本を読んだりできる。
それでは、次回はこの魅力あふれるセントラルパークの楽しみ方をお届けする。る。
*第13章:マンハッタンで一人暮らし:月1,600ドルのアパート生活も合わせてお読みください。
*NYで暮らすような英語環境を、今日から始めてみませんか。
【Cambly(キャンブリー)】


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