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「60代で留学なんて、さすがに遅すぎる」—そう思っていないだろうか。
私は高校卒業後にアメリカへ渡り、ウィスコンシン州の大学で学び、その後ニューヨークで銀行員として働いた。そして歳を重ねた今も、あの留学が人生の土台になっていると感じている。
その経験をもとに、正直に答えたいと思う。
結論:60代でも留学できる。むしろ今だからこそ得られるものがある
若い頃の留学と、60代の留学は、目的も得るものもまったく違う。
20代の留学は「将来のため」だった。言葉も文化もわからない中で、毎日が必死だった。失敗しながら、傷つきながら、それでも前に進むしかなかった。
でも60代の留学は違う。人生の経験を持った大人として、世界を見ることができる。
仕事のプレッシャーもない。子育ての責任もない。時間とお金を、自分のためだけに使える。これは人生の中で、実はとても贅沢な時間だ。
私が高校卒業後にアメリカへ渡った話
私がアメリカに留学したのは、高校を卒業してすぐのことだった。
行き先はウィスコンシン州。ニューヨークの華やかなイメージとは程遠い、雪深い中西部の州だ。言葉もろくにわからないまま飛び込んだアメリカ生活は、想像をはるかに超えた壁の連続だった。
それでも、ウィスコンシンでの大学生活が私の英語力の土台を作った。そしてその後のニューヨークでの銀行員生活、帰国後の翻訳者としてのキャリアへとつながっていった。
あの一歩がなければ、今の自分はなかった。
大学時代に出会ったシニアの学生たち
ウィスコンシンの大学で学んでいた頃、クラスに何人かシニアの学生がいた。
最初は正直、不思議だった。なぜこの年齢で大学に?と思っていた。でもいざ一緒に授業を受けてみると、彼らの発言や視点に何度も驚かされた。長い人生経験に裏付けされた知識と洞察は、20代の私にはとても及ばないものだった。
その時、私は心に決めた。
「60歳になったら、また大学か大学院に戻ろう。今度はキャリアのことを考えず、純粋に自分が学びたいことを学ぼう」
それが私の夢になった。
人生は、計画通りにはいかない
しかし、人生は計画通りには進まなかった。
まず新型コロナウイルスの世界的な流行で、世界が停止した。続いて戦争、国際間の不和、インフレ、アメリカの大学の授業料の高騰。一つひとつは乗り越えられても、重なると重い。
そして何より大きな障害となったのは、私自身が病気になったことだった。
60歳だった定年は65歳に引き上げられた。しかし、その年を待つことなく、私は退職を余儀なくされた。
夢に描いていた「60歳からの大学院生活」は、こうして形を変えることになった。
でも、諦めてはいない。
現在はリハビリをしながら、少しずつ体力をつけ始めている。実際にアメリカへ渡って学ぶことは難しいかもしれない。でも、インターネットを使えば、世界中の大学の講義や学びにアクセスできる時代だ。オンラインで学ぶという形で、あの夢をつないでいこうと思っている。
留学の夢は、まだ諦めていない。
だから60代で留学を考えているあなたに、心から伝えたい。行けると思ったその時に、踏み出してほしい。 人生には、想定外のことが必ず起きる。「いつか」は来ないかもしれない。でも「今日」は確かにある。
60代留学、よくある不安に答えます
「英語が話せないのに大丈夫?」
大丈夫。むしろ英語が話せないことを恥ずかしがらないのが、60代の強みだと思う。
20代の頃は、間違えることが恥ずかしかった。でも人生経験を積んだ今なら、「わからないので教えてください」と素直に言える。その姿勢が、現地の人との距離を縮める。
まずは簡単な英会話から始めれば十分だ。留学先には同じように英語を学ぶ世界中の人がいる。完璧な英語など、誰も求めていない。
体力的に心配
これは正直、答えようがない。私自身、健康には気を遣ってきた方だ。それでも病気にはなる。こればかりはどうしようもない。
ただ、最近は50代や60代向けの語学留学プログラムができて、無理のないスケジュールで組まれていることが多い。午前中に授業、午後は自由時間、というスタイルが一般的だ。観光も兼ねながら、自分のペースで学べる。
私がウィスコンシンにいた頃、年配の留学生はいなかった。でも今は違う。シニア向けの留学プログラムも充実してきている。
お金がかかりすぎる
語学留学なら、2〜4週間の短期プログラムから選べる。費用は行き先や期間によって異なるが、旅行感覚で参加できるプログラムも増えている。
長期でなくていい。まず2週間、試してみるという発想でいい。
今さら何のために?
これが一番大切な問いだと思う。そしてその回答は、今こそ、したいことをする時期だ。
60代の留学に「就職のため」は必要ない。英語が仕事で必要というわけでもないかもしれない。
でも、世界が広がる感覚は、何歳になっても変わらない。
見知らぬ土地で、見知らぬ人と話す。自分が「外国人」になる体験をする。日本の外から日本を見る。それだけで、残りの人生の景色がガラッと変わる。
私はそれを、高校卒業直後に体験した。あの体験が、その後の私の人生を作った。
60代でその体験をしても、決して遅くない。むしろ、人生の豊かさをもっとも深く味わえる年齢かもしれない。
60代留学におすすめの行き先
アメリカ(カリフォルニア・ニューヨーク) 日本人留学生が多く、サポート体制が整っている。私が暮らしたニューヨークは、多様な人々が集まる街で、英語が少々たどたどしくても温かく受け入れてくれる文化がある。
カナダ(バンクーバー・トロント) 治安が良く、シニア層に人気。アメリカより物価が低めで、のんびりとした雰囲気が過ごしやすい。
マルタ・アイルランド ヨーロッパで英語を学びたい方に。比較的費用が抑えられ、観光も楽しめる。
まとめ:留学に「遅すぎる」はない
高校卒業後に飛び込んだアメリカ留学は、私の人生を変えた。
でも今振り返ると、あの経験は「若かったから」できたわけではない。踏み出す勇気があったからできた。
60代にはその勇気を後押しする、十分な経験と自信がある。
「いつか留学してみたい」と思っているなら、そのいつかは今かもしれない。
このブログでは、私のアメリカ留学・ニューヨーク生活・帰国後の体験を綴っています。他の記事もぜひご覧ください。


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