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アメリカの大学に入学したからといって、すぐに自由に授業を選べるわけではない。少なくとも私の場合はそうだった。
留学生専用アドバイザーの存在
入学直後、留学生には専用のアドバイザーが割り当てられた。語学学校を免除されて最初から一般授業に放り込まれた私にとって、このアドバイザーの存在は心強かった。
アドバイザーが勧めてくれたのは、英語の比重が少ない授業だった。具体的には数学、化学、テニス、音楽、アート、英語(ベーシック)など。確かに理にかなっていた。英語がままならない状態で英語漬けの授業を取れば溺れるだけだ。かといって英語を学ぶ必要もあるので英語の基礎のクラスを受講することにした。言葉の壁を最小限に抑えながら単位を取り、徐々に英語の授業に慣れていくという戦略だった。
化学は断った
アドバイザーの提案の中に化学があった。「アジアからの留学生は化学が得意な傾向がある」という理由だったようだ。しかし私は文系で、化学は明らかに苦手だった。ステレオタイプで判断されたことに少し違和感を覚えながらも、丁重に断った。
「英語もできないのにフランス語なんて」
代わりに私が希望したのはフランス語だった。アドバイザーは目を丸くして言った。「英語もままならないのに、フランス語なんて無理だ」と。
しかし私には理由があった。高校時代から、アメリカの大学に留学後はフランスの大学に交換留学するという計画を立てていた。そのために東京でフランス語の個人レッスンをすでに受けていたのだ。
事情を説明すると、アドバイザーは納得してくれた。結果は良い成績だった。「英語もできないのに」という言葉を、静かに覆した瞬間だった。
授業選択で学んだこと
アドバイザーの助言は確かに参考になる。しかし自分の背景や目標を正直に伝えることで、より自分に合った選択ができる。言葉が不自由でも、自分の事情を説明する努力は必ず伝わる。それがこの経験から学んだことだった。
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