第41章:社会復帰前の3者面談で言われたこと—患者専門相談員が教えてくれたこと

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ようやく療養期間が終わり、担当医から社会復帰の承諾を得られた。それと同時に、病院の相談センターのアドバイザーと、ハローワークから来てくれる「病気から復帰した患者専門」の担当者、そして私の3人で面談が行われた。話し合いの内容は、これからの職探しについてだった。

実はこの面談の前にも、同じ相談センターに助けられたことがあった。

保険の点数で終わってしまったリハビリ

最初に舌がんの手術を受けた大学病院のリハビリ科で、言語聴覚士との発話リハビリを続けていた。しかしこれは、保険の点数の関係で1年3ヶ月というところで終了になってしまった。まだ思うように話せるようになったとは言えない段階だった。そのため、リハビリを続けられる別の病院を探す必要が出てきた。

自分に合う病院を探すまでの壁

ここからが大変だった。在住する区内の大学病院に片っ端から電話をかけた。そもそも言語聴覚士の数自体が、必要な患者数の1割程度しかいないという現実に直面した。入院患者のリハビリは行っていても、外来患者は受け付けていない病院がほとんどだったのだ。

途方に暮れかけていた時に頼ったのが、がん相談支援センターだった。相談すると、自宅から通いやすい病院を探す手伝いをしてくれるという。実際に情報を集めてもらい、候補を一緒に探してもらった。おかげで今は、片道1時間、乗り換えなしで通える病院でリハビリを続けている。

この経験があったからこそ、後の職探しの面談でも、相談センターのアドバイザーを信頼して臨むことができたのだと思う。病気になってから頼れる先は、病院や医師だけではない。この時、初めてそれを実感した。

いきなり仕事復帰、ではなく学び直しという選択肢

療養生活1.5年を経て、急に仕事に復帰するのは負担が大きいかもしれない。精神的にも肉体的にもそうだ。まずはハローワークの職業訓練校で学べるクラスを検討してくれることになった。

私の場合、通訳と翻訳専業の仕事歴が25年あった。正直、それ以外にできることがなかった。手術の影響で通訳が完全にできなくなり、翻訳もAIに代替されつつある。自分には別のスキルが必要だと強く感じていた。

体力にはまだ自信がなかった。そのため、最初に勧められた介護科やトラベル科(スーツケースを運ぶなど立ち仕事が多い)は断った。事務職を希望すると、MOS、簿記2級、医療事務、宅建などを勧められた。しかしアドバイザーと出張ハローワークの担当者は、この選択にかなり否定的な見解を示した。

「資格を取ればいい」というわけではない現実

彼らの説明はとても具体的だった。

MOSは、資格を取得しても実務経験がなければ評価されないという。医療事務はハローワークの受講完了後に資格を取っても、就職率は高いものの離職率も高いそうだ。忙しい医療現場では即戦力が求められる。そのため資格だけの人間は、現場で十分な指導を受けられないまま数ヶ月で辞めてしまう人が多いとのことだった。宅建についても、比較的若い人材が求められる業界だという。簿記2級は、若ければある程度の評価を受ける。しかし年配で経験を求められる人材にとっては微妙で、取得するなら1級でなければ仕事には結びつかないという評価だった。

資格の名前だけで安心してはいけない。実際の現場でどう評価されるかまで考える必要がある。この面談で、初めてそれを知った。

結論は「資格」ではなく「理解してくれる職場」

最終的な結論は、資格の有無よりも大切なことがある、というものだった。私の病気や通院について理解してくれる職場を選ぶことだ。継続的な通院を快く認めてくれる環境でなければ、長く続けるのは難しい。病気についてはきちんと伝えた方が良いとのアドバイスだった。

何らかの講座に通学し、卒業後3ヶ月以内にその学校が勧める職場へ就職してもらう。そうしたハローワーク上層部からの方針はあるそうだが、義務ではないという。税金が投入されている以上、受講後に就職してもらうことがハローワーク側の実績や財源面でもプラスになる。そういう事情があるようだった。こうした制度の裏側の話を聞けたのも、この面談ならではだったと思う。

「興味があるなら挑戦していい」という後押し

私がAIに興味を持っていることを話すと、担当者は前向きな言葉をくれた。「興味があるなら、難しいことに挑戦しても良い」と背中を押してくれたのだ。ただし、体調を崩すほど無理はしてほしくないとも言われた。

その方のお勧めは、官公庁の英語を必要とするポジションだった。「今まで積み上げてきた英語や海外経験をゼロにしてしまうのは勿体ない」と言ってくれたのが、とても印象に残っている。そのハローワークの担当者からは、その後も何度か仕事の情報が届いている。

病気を経験した人専門のアドバイザーがいる。それだけで、これほど話の内容が変わるものかと驚いた。経歴や体調、そしてこれからの希望まできちんと聞いた上で、現実的かつ前向きな提案をしてくれる。こうした専門の担当者の存在は、もっと知られてもいいのではないかと思う。

例えば「デイトラ」は、動画コンテンツを見ながら自分のペースで学び、わからない部分はチャットで質問できるオンラインスクールだ。時間や場所を選ばず、体調に合わせて進められるのが大きな利点だと思う。プログラミングやデザイン、動画編集、AIライティング、マーケティングなど、フリーランスや副業を意識したコースが揃っている。通勤や通学が難しい状況でも、新しいスキルを積み上げていく道筋を作れるはずだ。

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