第15章:銀行で外貨ディーラーのアシスタントに|英語力と仕事力は別物だった

為替売買の補助業務

外貨ディーラーのアシスタントである私は、ディーラーと顧客の間で為替売買の補助を行った。ディーラーに電話をしてレートを聞き、そこにスプレッドを乗せて顧客に伝える。取引が成立すると、その旨をディーラーに報告する。

為替レートは一瞬で変わる。大きな金額の取引を素早く計算して顧客に伝え、「ディール」が決まればその金額をディーラーに告げる。ドル円だけでなく、スイスフランやその他の通貨も扱った。会話はすべて録音され、一切の間違いが許されない仕事だった。素早い計算に神経を削られるのはもちろん、南部訛りの強いアクセントに慣れるまでにも相当な時間がかかった。

引き継ぎはわずか1週間

マーケットが閉まると、午後はその日の取引をまとめた書類作成に充てた。大学時代はMacを使うことが多かったため、銀行専用のPCにはなかなか慣れることができなかった。

日本では入行後に長い研修期間が設けられると聞くが、私の場合は唯一の新入社員だったため、前任者からの引き継ぎがわずか1週間あっただけだ。銀行特有の専門用語にも不慣れで、四苦八苦の毎日だった。

駐在員の通訳・翻訳

さらに、駐在員の通訳・翻訳という業務も任された。当時の駐在員は赴任前の数ヶ月間、英会話スクールに通ってから転勤する人が多かった。稀に帰国子女もいたが、日本語に課題を抱えるケースもあり、いずれにしても通訳・翻訳業務は欠かせなかった。

英語力と仕事力は別物

お世辞にも流暢とは言えない英語で仕事をこなす上司たちを見ていて、気づいたことがある。英語ができる人が仕事のできる人とは限らない。その反対もしかりだ。語学力と仕事力は、別物なのだと実感した。

※英語習得の過程はコラム③ 受験英語しか知らなかった私がアメリカ留学して30年の翻訳者になった英語学習法4選第8章:「アメリカに行けば英語が話せる」は大嘘だった|留学しても英語が伸びない本当の理由に綴っています。

コメント